最近、ドラマ物AV作品が増えている理由
最近のAVではドラマ物が増えていることに気づいていますか? そこには様々な理由があったのです。
昔のAV作品はドラマ物ばかりだった
80年代のAVの黎明期には、ほとんどのAV作品がドラマ物でした。
それは当時の審査団体(ビデ倫)の審査基準として、「セックスに必然性があるか」というものがあったのです。今から考えるとずいぶんおかしな基準ですが、当時はまだそんな価値観があったのです。またセックスシーンが長時間続くことも禁じられていました。
そんな厳しい基準があったため、必然的にドラマ物が中心になっていたのです。当時のAVは収録時間が30分と大変短かかったのですが、そのうちドラマが20分、肝心のセックスシーンは10分に満たないというAV作品が普通だったのです。
こうした基準は次第に緩められていったのですが90年代になっても、AV作品の中心はドラマ物という風潮は残っていました。売れっ子の単体AV女優はドラマ物、ドキュメント的な企画物は、無名の企画AV女優が出るものだったのです。
ドラマ物が消えていった理由
00年代に入ってドラマ物が減った理由は、モザイク修正が薄くなったことにありました。そうなるとユーザーは、局部のアップを見たがるようになります。
またAV作品でもVHSからDVDへとメディアが変わってきたことで、ユーザーは簡単にチャプターを飛ばせるようになりました。そうなるとドラマ部分を飛ばして、すぐにカラミのシーンを見てしまうわけです。
もともとAV作品においても、ドラマ部分は撮影するのに、手間も費用もかかります。ユーザーが見ていないのに、そこに力を入れる必要はないわけで、ドラマ物AV作品は次第に姿を消していきました。
ただし、熟女物に関しては、ドラマ物が中心という傾向は変わりませんでした。熟女の場合、人妻であるという設定をきちんを描いた方が、ユーザーも興奮できるということがあったのでしょう。また潜入捜査員物などSM色の強いAV作品では、同様の理由でドラマ物が残っていました。
「寝取られ」ブームが起爆剤に
10年代に入ると、熟女のAV人気が高まり、リリース本数が増加したため、必然的にドラマ物も増えていきました。
そして10年代半ばには、妻や彼女を奪われる、寝取られ(NTR)というシチェーションがブームになります。
NTR物は、その大半がドラマ物なので、ここでまたドラマ物が増えていったのです。
また、5年10年と息の長い活躍をするAV女優が増えたことも理由のひとつです。
活動が長くなってくると、プレイの過激化もある程度で限界となるので企画物で差別化するのが難しくなり、ドラマ物が多くなるという傾向があるのです。ドラマ物ならば、ストーリーを変えることで、差別化が出来るからです。
こうした背景から10年代にジワジワとドラマ物が息を吹き返して来ました。
しかし近年、ドラマ物が増えてきたのは、もうひとつ大きな理由があるのです。
規制のためにドラマAV作品が復活
2016年に社会問題化したAV女優出演強要問題以降、AV業界はAV女優の人権保護のために自主規制をするようになりました。
その流れで、以前よりもモザイクが大きくなったり、女性の身体に負担のかかるような過激なプレイが控えられるようになったのです。
レイプ物などの凌辱色が強いAV作品も、審査を通りにくくなったそうです。
さらに撮影前までにプレイ内容をすべてAV女優に説明するというルールが出来たため、ナンパやドッキリなどのAV作品も作りにくくなりました。
そうした状況においては、企画物よりもドラマ物の方が作りやすくなったのです。凌辱的なプレイもドキュメント的に撮ると審査を通りづらいけれど、ドラマであれば大丈夫という傾向があるようです。
このように、AV作品も様々な外的要因によって、内容が変わっていくのです。また、しばらくして状況が変われば、それにつれてAV作品の内容も変わっていくことになるでしょう。
今は、AV女優も演技力がある人が有利だと言えるのかもしれません。