スカウトからAV女優になるというルート
かつてAV女優になるには応募よりスカウトが主流
AV女優になるきっかけとしては、大きく分けてスカウトと応募があります。最近は、自分でプロダクションに応募してくる人も増えましたが、今でもスカウトも健在です。
少し前までは、「自分で応募してくる子はレベルが低い。可愛い子はやはりスカウトじゃなければ」というのが業界の常識でした。
今ではトップクラスの人気女優でも応募というのが珍しくなくなりましたが、それでも特に可愛い子を狙って声をかけるというスカウトによって業界に入ってくる子はレベルが高く、重要な存在となっているのです。
現在は迷惑防止条例が施行されているために、路上で女性に声をかけてのスカウト行為が難しくなっていますが、かつては繁華街を若い女性が歩いていると、数え切れないほどのスカウトマンに声をかけられたと言います。
この頃のスカウトの様子はテレビドラマや映画にもなった漫画『新宿スワン』にも描かれています。
AV業界ではスカウトの取り分は通常25%
スカウトマンは、基本的にスカウト事務所に所属しており、スカウトした女の子をAVプロダクションに紹介することで報酬を得ています。
スカウトマンの報酬は、女優のギャラから発生します。
AVメーカーが女優に払うギャラのうち、通常は女優とプロダクションで折半し、そのプロダクションの取り分の半分がスカウトマンに支払われます。
例えば、AVメーカーが100万円のギャラを支払った場合、半分の50万円が女優の取り分となります。そして残りを25万円づつ、プロダクションとスカウトで分けるということです。
現在は女優の取り分は50%以上と決まっていますが、中には60%以上になることもあります。その場合は、残りの40%をプロダクションとスカウトで分けますので、20%づつになります。
スカウトマンが仲介するとスカウトバックが発生するので女優が損をする、だから自分で応募した方が取り分が多くなる、と思っている人もいますが、それは間違いです。
スカウトのバック分は、プロダクションの取り分から発生するので、女優の取り分は変わりません。
AVのスカウト=悪ではない
自分の取り分が減ってしまうのに、それでもプロダクションがスカウトに頼るのは、それはやはり応募に比べて、ルックスのいい女性を紹介してくれる確率が高いからでしょう。
売れる女優をスカウトできれば、その女優が現役でいる限り、バックが発生します。つまり何もしなくても収入があるということです。だから、スカウトは売れる女優を見つけることに真剣になるのです。
また、その女優が稼げば稼ぐほど、自分の収入があがるわけですから、女優が仕事をしやすいような状況を作れるように気配りするという面もあります。
デビュー後も、いろいろと相談に乗るなどのケアを欠かさないスカウトマンもいるようです。
スカウト=悪、のような印象を持つ人もいるようですが、このようにAV女優にとっても、AVプロダクションにとっても、スカウトは無くてはならない存在でもあるのです。
悪徳AVスカウトではないかをチェック
かつては、最初に芸能関係のスカウトだと偽って声をかけ、強引にAVや風俗の仕事をさせるというケースが多く、社会問題になりました。
現在はかなり厳しく規制され、そうした悪徳スカウトは少なくなっているようですが、それでも注意は必要です。
特に最近では、ネットや自主制作DVDなどを中心とした同人AVや個人撮影のスカウトも目立っています。
もちろん同人AVや個人撮影の全てが怪しいわけではありませんが、一般のAV(適正AV)に比べるとトラブルが多いのも事実です。
私たちが普通に目にするAVは、適正AVと呼ばれ、自主規制団体に加盟するAVメーカーやAVプロダクションによって制作されています。紹介されるAVプロダクションがそうした団体に加盟しているかどうかは、チェックしておいた方がよいでしょう。
怪しいプロダクションや、怪しい仕事ばかりと紹介しようとするスカウトマンであれば、関係は断つべきです。
それでもしつこくつきまとわれたり、無理やり怪しい契約を結ばされそうになったら、警察や「女性の人権ホットライン」などに連絡してみて下さい。