熟女AV女優がこんなに人気の理由
昔は「熟女」AVは人気がなかった
現在発売されているAVの中で、最も人気の高いジャンルは「熟女・人妻」です。全タイトルのうち3割以上を「熟女・人妻」が占めていると言われています。
この傾向は世界的らしく、アダルトサイトでの検索語ランキングを見ると、日本では「熟女」が1位ですし、世界最大のポルノサイトでも3位が「Mature」(熟女)4位が「MILF」(やや若めの熟女)という調査結果が出ています。
日本のAVでこれほどまでに熟女の人気が高まったのは00年代以降のことです。
戦後から70年代にかけては「人妻」は成人向けの小説や映画でも人気の「性の対象」だったのですが(と、いっても当時の人妻は20代が多かったのですが…)、80年代に入って、いわゆるロリコンブームが起きて、「女性は若いほどいい」という価値観が広まります。
そのため、80年代のAVでは「熟女・人妻」物はほとんど作られていませんでした。
00年代に訪れた美熟女AVブーム
90年代に入るとAVでも「熟女」というジャンルが生まれ、雑誌でも熟女専門誌が創刊されるようになりました。
ただし、この頃は「熟女」はあくまでもマニア向けというニュアンスが強く、どちらかというと生活感を強調した「おばちゃん」というイメージで作られることが多かったのです。AVショップなどでも「熟女」はSMなどと並べられ、マニア向けコーナーに置かれていました。
それが変わってきたのは90年代末から00年代にかけての時期で、川奈まり子さん、牧原れい子さんなどの美人熟女女優が人気を集めたのがきっかけです。「美熟女」という言葉が生まれ、大人ならではの色気をもった美しい女性というイメージが広まっていきました。
そして2003年には、熟女専門メーカーであるマドンナが誕生。他のメーカーも熟女作品に力を入れるようになり、ジャンルとして大きく広がりを見せます。
また、80年代、90年代に活躍していたアイドル系の女優が熟女女優としてカムバックするという動きもありました。
もはやマニア向けではない「熟女」AV
そして現在、ブームの範疇を超えてジャンルとして定着した「熟女・人妻」ですが、その人気の理由はなんでしょうか?
まずひとつはAVユーザーの高齢化があります。若い人もAVは見るのですが、ちゃんとお金を払って見ているのは40代以上がメインということもあって、AVメーカーはその層にターゲットを絞って作っているのです。
40代以上にとっては、「熟女」と言っても同世代か年下になるわけで、20代の若い女性よりも親しみを持って見ることができます。
また、以前に比べて30代、40代、さらには50代の女性が美しくなったというのも理由でしょう。「美魔女」という言葉が生まれるほど、年齢を感じさせない若々しい熟女が多くなったため、ルックス的にも若い子に負けなくなりました。
90年代の「おばちゃん」的な熟女とは、全く違い、マニアックな印象は、もうすっかりなくなっています。
何歳で「熟女」になるかもAV女優にとっては重要
そしてもうひとつ、「熟女・人妻」というジャンルの枠の広さもあります。
10年代から「若妻」という新ジャンルが人気を集めました。これはそれまで、「熟女・人妻」の枠には含まれなかった20代の女優に人妻を演じさせるものです。若くして結婚する女性もいるわけですから、別に不自然ではありません。
若妻の一方で、50代の女優も人気を集めています。つまり現在「熟女・人妻」は、20代から50代、AV女優のほとんどをカバーすることになっているのです。
そして、どうしてもデビュー作が一番売れることになる若い女優に比べて、熟女女優はその人気の寿命も長いのです。
20代のうちから「熟女・人妻」系にシフトチェンジしたことで、さらに人気が出るという女優もいます。23年という最長キャリアを誇る超人気女優の風間ゆみさんは18歳でAVデビューしているのですが、20代半ばで早々と熟女シフトを敷いたことで成功しました。かなり前から熟女を演じていたので、彼女がまだ41歳だということを知ると驚く人も多いでしょう。
何歳くらいで熟女にシフトチェンジするべきか、というのも現在のAV女優にとっては、重要な問題となっているのです。