今までで一番売れたアダルトビデオは?
40年近いアダルトビデオの歴史の中で、数々のヒット作が生まれてきましたが、その中でも最も売れたアダルト作品とは、いったい誰の出演作なのでしょうか?
最初のヒット作は愛染恭子主演作
1981年に最初のAV作品が発売されてから、現在までに数十万タイトルに及ぶAV作品が発売されて来ました。
最初のAV作品と言われている作品は1981年5月に発売された『ビニ本の女・秘奥覗き』と『OLワレメ白書・熟した秘園』(共に日本ビデオ映像)の2タイトルですが、この時点では家庭用ビデオデッキが、まだ普及していなかったこともあって、それほどの本数は売れなかったようです。
AV作品の最初のヒット作としては、同じ年の11月に発売された『愛染恭子の本番生撮り 淫欲のうずき』(日本ビデオ映像)が挙げられるでしょう。愛染恭子はその年の9月に『白日夢』という映画に出演して一躍注目を浴びた女優でした。実はこの映画、本番(実際にセックス)をしているということで、大きな話題を呼んだのです。当時は、本当のセックスを撮影するということは信じられないほど過激な行為だったのです。
その愛染恭子が出演しているということで、この『淫欲のうずき』は大ヒット。なんと2万本以上売れたといいます。まだ家庭用ビデオデッキの普及率が10%程度という時代に、2万本以上販売という数字が、どれほどすごいのか、わかると思います。
ちなみに愛染恭子は、2010年まで映画やストリップなどでヌードを披露していました。
80年代に爆発的なヒットを記録したAV作品
80年代後半から90年代にかけてAV作品は最初の黄金時代を迎え、たくさんのヒット作を生み出しました。
その中でも記録に残る作品としては、1987年に発売されたかわいさとみ主演の『ぼくの太陽』(宇宙企画)で、AV作品でありながらオリコンのビデオチャートベスト10にランクインしたことで話題となりました。一説によれば4万5千本というセールスを記録したそうです。
しかしそれ以上に売れたと言われるのが、最近Netflixのオリジナルドラマ『全裸監督』で注目された村西とおる監督、黒木香主演による1986年発売の『SMっぽいの好き』(クリスタル映像)です。
レンタルショップ向けに3万本、そしてAVメーカーに直接販売を申し込んで来たのが7万本、合計10万本以上販売されたとのこと。
この頃は、AV作品はレンタルが中心であり、レンタルショップの総数が2万店だったことを考えると、この数字はちょっと異常とも言えるほどです。しかもこの頃のAV作品は一本が1万円以上したのですから……。
最も売れたAV作品はあのお騒がせAV女優の初出演作
00年代に入ると、AVはレンタルからセル(販売)が中心になり、一本あたりの価格も2、3千円と安くなったこともあり、ヒット作の売上本数も高くなっていきます。1万本を超えるヒット作も珍しくなくなりました。
2009年発売の『芸能人 原紗央莉 奇跡のAVデビュー』(SODクリエイト)や2010年発売の『日本中が待望した国民的アイドルやまぐちりこAV DEBUT』(アリスJAPAN)などは、10万本という記録を打ち立てますが、2011年には、『AV女優 小向美奈子』(アリスJAPAN)が、なんと20万本の売上を叩き出しました。
お騒がせ芸能人の初AV作品という話題性もあり、それまでAVを買ったことのなかった層にもアピールしたというのが大きかったのでしょう。
20万本という数字は、もちろんそれまでにも到達した作品はなく、おそらくこれ以降も作られることはないであろう記録です。
歴代で最も売れたAV作品は『AV女優 小向美奈子』だということになるでしょう。
ちなみに小向美奈子は、三度の覚醒剤逮捕などを経て、現在もAV女優、ストリッパーとして活躍中です。
今後、この記録は更新されるのか?
今後、小向美奈子の20万本の記録が打ち破られることはないだろうというのは、近年AV作品の売上が大きく落ち込んでいることが背景にあります。
ネットへの違法アップロードや不景気といった理由で、以前に比べるとAV作品の売上は年々下降しています。
また、動画配信へと売上の中心が移りつつあることもあり、DVDそのものの販売本数は特に数字が小さくなっています。
10年ほど前は年間に1万本以上を記録するタイトルがいくつも出ていましたが、最近はほとんどなくなっています。
3千本で大ヒット認定。大手AVメーカーの単体AV女優作品でも千本を切ってしまうことは珍しくないようです。
しかし、こんな状況の中でも、大物芸能人のAVデビュー作が出れば、また新たな記録が打ち立てられたりするのかもしれません。