アダルトビデオのセックスは全部本当なんですか?
実際に挿入していないのに、挿入しているふりをするのが「疑似本番」。アダルトビデオで、こうした疑似本番が横行しているのには、理由があるのです。
本番は女性にとって抵抗ある行為だった
「疑似本番」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
本番とは、アダルト業界では本当に挿入行為をしていることを意味します。
つまり疑似本番とは、挿入していないのに、挿入しているように見せることです。
90年代まで、アダルトビデオでは本番と疑似本番は半々くらいでした。特に人気の単体AV女優は、大半が擬似本番でした。むしろ売れっ子のAV女優は本番をしていないことを自慢するくらいでした。
当時は、それほど女性にとって、本番は抵抗のある行為だったのです。
しかし90年代後半から00年代にかけて、アダルトビデオの修正が薄くなってくると、実際に挿入していないことがバレてしまうようになり、アダルトビデオでの本番率はグンと上がりました。
00年代に入ると、芸能人AV女優など、ごく一部の例外を除いて、どんな人気AV女優でも本番をしないということはなくなりました。
これはユーザーが過激な内容を求めるようになったこと、そして女性の側にも本番に対する抵抗が薄れたという理由があります。
疑似本番もなかなか難しい
疑似本番は、挿入以外は普通のセックスと変わりません。
キスや指での愛撫、ローターや電動マッサージ器などのオモチャを使った愛撫、フェラチオやクンニリングスなどのオーラルセックス、などを経て、いよいよ挿入ということになるわけですが、この時、AV男優はペニスを実際に膣には入れずに、恥丘に擦りつけるようにして、腰を動かします。
あるいは、ペニスを下に折り曲げるようにする場合もあります。こちらの方が接合部がカメラに映ってもに、入れていないペニスが見えにくいからです。
疑似挿入の時は、AV女優側にも演技力は必要になります。
挿入した(ことになっている)タイミングにあわせて、ちゃんと反応しなければならないからです。これは慣れないとなかなか難しいようです。
そのため、「それだったら、実際に入れてもらった方が楽でいい」などと言うAV女優もいるようです。
痛くならないように擬似本番
現在では、本番をNGにしているAV女優は、ほとんどいません。
しかし、それでもAV業界には今でも疑似本番が少なくないのです。どうしてでしょうか?
それは現在のアダルトビデオは、一作品の中で3〜4回以上の本番をするのが普通になっているからです。
ほとんどの撮影は一日で終わらせるため、AV女優はセックスが終わった後、少しの休憩を挟んで、またすぐにセックスをするということになります。
膣の粘膜が弱い女性の場合、一日に何度もセックスをすると痛くなってしまうことがあるのです。
そこで、3回のセックスのうち、本番は2回、もしくは1回で、残りは疑似本番にするということがあるのです。
女性の体に負担をかけないため、という理由で疑似本番を行うわけです。
女の子がOKでも疑似にする理由
ところが、最近は別の理由で疑似本番が増えているという話もあります。
実は、AV女優に払うギャラは、本番の回数によって変わることが多いのです。
例えば、2カラミで20万円、3カラミで30万円、など。カラミというのは本番の意味です。
ギャラの金額は、AV女優の人気や交渉によってかなり変動があるのですが、本番の回数が基準になります。
そのため、2カラミのところを、1カラミ1疑似にすると、ギャラはだいぶ安くなります。
最近は、制作費が削減されているため、いかに安く撮るかが、プロデューサーの腕の見せどころであったりします。
そこで、カラミの回数を減らして、疑似を増やすという方法が取られているのです。
たとえAV女優が、一日に3本番でもへっちゃらという「鉄マン」だったとしても、ギャラを安くするために1カラミ2疑似にされる、なんてこともあるのです。
ちょっと世知辛い話ではありますが、これもAV業界の厳しい現状なのです。