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AV業界が不況って本当ですか?

AV業界が不況って本当ですか?

例え世間がどんなに不況に陥っても、エロだけは本能に基づくものだから、決して無くなることはない。だからエロは不況に強い、そんなことが言われたのは、もう昔の話。現在AV業界は未曾有の不況に襲われているのです。

AV業界の市場規模は意外に小さい

以前の比べて、たくさんの人がAVを見ているし、有名なAV女優さんもいっぱい出てきている。
それに、人間から性欲が失われることはないのだから、エロが廃れることはない。
だからAV業界は安泰。女性であれば、いざとなったら脱げばお金になる……。
そんなイメージは今でも根強いようです。
しかし、それは既に過去の話となってしまいました。
AVの市場規模は500億円ほどだと言われています。これは打ち上げ花火業界やタバコ用ライターの業界の市場規模とだいたい同じ規模です。そう聞くと、なかなか微妙な数字だと思いませんか?
ちなみにアニメは2700億円、プロ野球は2000億円、アイドル業界は1500億円。
マニア向けのエロという印象の強い同人誌市場でも800億円。かつてはAVの方が上回っていたのですが、2008年頃に逆転されてしまいました。
ちなみに、AV業界と密接な関係のある風俗業界は3兆円ほどだと言います。やはり支払う金額が大きいためでしょう。

00年代から縮小傾向に

日本のAVは1981年に誕生し、翌1982年には、100億円産業と呼ばれるほどに急成長しました。ビデオデッキの普及と、レンタルビデオショップの広がりが追い風となりました。
以降、拡大を続けてきたAV業界ですが、00年代半ばに市場規模が700億円近くになったのをピークに、今度は緩やかに縮小傾向を迎えることとなります。
日本の社会自体の不景気など、その理由はいくつもありますが、大きなものとしてインターネットに違法アップロードされたことや、ユーザーがサンプルだけで満足してしまっているといった、無料でAVを楽しむ「フリーライダー」の増加が上げられるでしょう。
お金を払ってAVを見るユーザーが減ってしまったのだから、業界にもお金が入ってこないのは当然です。
AV、特にDVDの売上は大きく下がっており、近年DVDショップは、次々と閉店しているという状況です。

00年代から縮小傾向に

これまでで最も売れたAVは20万枚

40年近いAVの歴史の中で最も売れたAV作品は2011年に発売された小向美奈子さんのAVデビュー作『AV女優 小向美奈子』で、その売上は20万枚だったそうです。単純に定価の3800円を20万枚で計算すれば、ざっと7億6千万円になります。
その作品以外でも、蒼井そらさんの『セル初 ギリギリモザイク』(2004年)、原紗央莉さんの『芸能人 原紗央莉 奇跡のAVデビュー』(2009年)、『やまぐちりこさんの『日本中が待望した国民的アイドルやまぐちりこAV DEBUT』(2010年)などが10万枚を超える売上を記録しています。
この時期までは、1万枚を超える大ヒット作も珍しくありませんでした。00年代半ばより、全体の売上は落ち始めてはいましたが、それでも売れる作品は、よく売れていたのです。
しかし10年代に入ると、状況はさらに悪化します。売れる作品も、それほど伸びず、そして売れない作品は、全く売れなくなってしまったのです。

制作費も削られている。

現在は1000枚売れればヒット、売れない作品は100枚を切ってしまうとまで言われるほどにDVDの売上は落ちています。その分、ネット配信が伸びているかというと、それほどでも無いというのが現実です。
売上が落ちているとなれば、利益を出すには制作費を下げるしかありません。切り詰められるのは、監督やカメラマンなどのスタッフのギャラ、スタジオ代などの経費、そして出演者のギャラです。
女優のギャラ以外の制作費は、かつては400~500万円だったのが、現在では100万円~200万円。小規模のメーカーや企画作品だと100万円を切ることが多いようです。
経費を浮かせるために、一日で数本の作品を撮影してしまうという手法も増えています。
そんな状況ですので当然、女優のギャラの相場も低くなっているのです。

女優にも格差が大きい時代だから

それでも、AVでは出演する女優によって売上が大きく変わるという状況がありますので、売れる女優は、今でもギャラはそれなりにもらえ、仕事が集中しています。
業界自体の景気が悪くなっていても、こと売れっ子の女優であれば、やはり稼げる仕事であることは変わらないようです。
そして、その分、しわ寄せは売れていない女優のところに来ています。
売れる女優・売れない女優の差は、どんどん激しくなっているというのが現状なのです。
「女性であれば、いざとなったら脱げばお金になる」という甘い考えでは、稼ぐことは出来ない時代となっているのです。
今後、AV業界が再び活況を取り戻すことができるのかは誰にもわかりません。
しかし、不況の中でも、しっかりと稼げている人がいるというのも、また現実なのです。

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